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2009年10月10日 (土)

細倉鉱山資料館

Img_0303細倉鉱山の資料館に来た。
お客さんは,私一人。

受付をしてくれた担当の方は,40年以上細倉鉱山の製錬にたずさわってきた方で,製錬の工程の話などいろいろ教えてくれた。

細倉鉱山資料館(栗原市公式ウェブサイト)
細倉フォトギャラリー

<鉱山の景色>

Img_0311

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上のパノラマ写真は,細倉鉱山の全景である。その中でひときわ目立つ高い煙突は,排煙脱硫施設の煙突(下段左)。方鉛鉱(PbS)を焼結してPbOにする過程で,亜硫酸ガス(SO2)が発生する。その亜硫酸ガスを原料にして,この施設で濃硫酸を生産していた。今はこの施設は使われていない。

下段右の写真にある縦長の建造物は,坑内からベルトコンベアで上げられてきた鉱石の出口。かつてはこの下の斜面に選鉱場の建物があった。

<鉱山の地質>

母岩は新第三紀中新世に噴出した安山岩と石英安山岩。新第三紀末期の火山活動に伴う熱水活動で,母岩の割れ目に鉱石が沈殿した。

鉱石鉱物は方鉛鉱,閃亜鉛鉱が中心で,黄銅鉱,輝安鉱,濃紅銀鉱なども産出した。これらの鉱石から得られる金属は,鉛,亜鉛,銅,金,銀,アンチモンなど。

<鉱山の歴史>

西暦800年代に発見されたと言われているが,確実なところでは1500年代に銀山として開発されていたという記録がある。1600年代後半になると,鉛を中心に採掘されるようになる。

江戸時代の末期には,鉱山内でのみ流通する鉛の貨幣(細倉当百)と紙幣(細倉銀山手形)が発行された。

明治23年に細倉鉱山会社が設立,その後明治26年に株式会社となる。

明治32年,持ち主が代わり,細倉鉱山株式会社から高田鉱山と名前が変わる。

大正10年,栗原軌道株式会社(栗原電鉄)が営業開始。

昭和3年,再び細倉鉱山株式会社になる。

昭和9年,細倉鉱山の所有が三菱鉱業株式会社に移管される。担当の方の話によると,戦争中には米軍の捕虜も雑役で働かされていたらしい。終戦直前の昭和20年8月10日,細倉鉱山にグラマン16機がやってきて,鉱山の建物に機銃掃射を行った。その時の弾丸が資料館に展示されている。

昭和62年3月3日 閉山

昭和62年というのは,私が大学3年生だったころだ。当時,1年上の先輩が卒論で細倉鉱山の鉱石を研究していて,研究室には立派な鉱脈の標本がゴロゴロしていたのを思い出す。

現在は,自動車の廃バッテリーからの鉛の製錬が主な事業である。鉛の価格はだいたい8〜9万円/トンで,この値段だと赤字だそうだ。

<鉛の製錬>

鉱石から有用金属を取り出す行程を製錬という。鉛の製錬について詳しくはこちらを参照。
○焼結
方鉛鉱(PbS)を高温で熱すると,硫黄分がとんでPbOに変化する。この工程を焼結という。鉱石からガス化した硫黄分は亜硫酸ガスとなる。亜硫酸ガスは排煙脱硫装置で回収されて,濃硫酸の原料となる。
○溶鉱炉
焼結したものを溶鉱炉で溶かすと,一番下に溶けた鉛がたまる。その鉛の純度は97%程度。(銀も3kg/t程度含まれている)
○電解精製
鉛の純度を上げるために,純度の低い鉛を電解液に入れて電圧をかけると,鉛が電解液に溶け出して,反対側の電極に付着する。この工程で99.99%以上の純度が得られる。

<金属の主な用途>

【鉛】鉛蓄電池(自動車のバッテリーなど),放射線の遮蔽壁(原子力発電所など),ガラス,塗料,絵の具,ブラウン管,釣りのおもり,はんだ,ヒューズ,印刷用の活字,散弾銃の弾など。

【亜鉛】トタン板,エンジンの部品,医薬品,ベビーパウダー,工芸品など。

<その他>

細倉鉱山の近くに大土森鉱山(おおどもりこうざん)という鉱山がある。細倉とは別な会社が採掘していた。

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