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2011年3月 6日 (日)

宮城県立光明支援学校高等部の研究が今野賞を受賞

報告が遅くなったが,昨年度(2009)の宮城県立光明支援学校・高等部の研究報告が,今野賞を受賞した。happy01

今野賞は,宮城県で長く教鞭をとられていた今野芳雄先生の遺志を継ぎ,宮城県の特別支援教育の推進を図るために設けられた賞で,今年がちょうど20回目にあたる。四つの募集部門があり、それぞれ功績の顕彰と研究の助成を行っている。今回は,今野賞の審査員を務めているうちの校長の推薦もあり,課題研究助成部門(C)に応募した。

昨年秋に募集があり,1月早々に結果が通知された。みずほ信託銀行仙台支店で表彰式が行われた時の様子は,事務局が置かれている宮城教育大学附属特別支援学校のブログに写真入りで紹介されている。

特別支援教育「今野賞」表彰式が行われました!!
http://blog.canpan.info/huzokushien/archive/231

受賞した研究報告のテーマと要約を,このページの一番下に掲載した。受賞論文は,年度末あたりに宮城教育大学附属特別支援学校のホームページに掲載される予定だ。

ブログの記事にも書かれているが,講評の中で「特別支援教育だけではなく,すべての学校にとって参考になる研究だ」という言葉をいただいた。この研究を進めるに当たっては,研究に携わった教員が将来どこに転勤しても,その転勤先で役に立つものにしたいと考えてやってきた。それだけに,講評のこの言葉は,私にとってたいへんうれしいものであった。

また,同じくブログの記事の中に出てくる「主体性を引き出す14の手だて」は,昨年度の研究の大切な成果である。高等部の約60名の教員に,主体性を引き出すことができた事例のレポートを年間3本出してもらって,そのレポートを分析する中から抽出されたものだ。つまり,この14の手だては,私たち高等部の教員がよく使って,手応えを感じたものを集めたものだ。

校内研究でよくありがちなのは,研究部が「このような手だてで授業をしてね」と押しつけて,研究授業に当たってしまった先生が,イヤイヤ取り組むというものだ。自分が手がける研究はそんな意味のないものにしたくなかったので,できるだけみんなに自由にやってもらって,その中から意味のあるものを探しだそうと試みた。全員の実践レポートの束の中から掘り当てたのが「主体性を引き出す14の手だて」である。

主体性を引き出す14の手だて(宮城県立光明支援学校高等部,2009)
 1)生徒に目標をしっかりもたせる
 2)生徒が記録をつける
 3)生徒が選択する
 4)生徒に責任をもたせる
 5)同じ活動を繰り返す(反復・復習)
 6)生徒同士の学び合いの場を設定する
 7)生徒が学んだことを発表する場を設定する
 8)生徒の特性や興味・関心を生かす
 9)段階的に指導する(スモールステップ)
10)視覚支援を欠かさない
11)しっかり体験,すかさず振り返り
12)プラスのフィードバックが与えられる環境
13)安心できる環境
14)家庭との連携

実は,そんなに特別なことが並んでいるわけではない。ごく当たり前の観点が14個並んでいるだけである。しかし,研究報告には,それぞれの手だてを高等部の教員がどのように使ったのか,たくさんの実例を簡潔に説明してあって,手だてをどのように使えばいいのか理解しやすいようになっている。例えば,「安心できる環境」とはどういうことか,それをどうつくったのか,「生徒が記録を付ける」とはどういうことか,どんな記録をつけたのか,そういう具体例が複数紹介されている。

この研究報告は,本校高等部の教員すべての力を結集してできたものだ。それが「今野賞」という一つの形になったことが,私にとってはなによりの褒美である。

あ,ちなみにこの教育賞は助成金をいただくことができる。今回は10万円もいただいた。この助成金の使い道はもう私の中では決まっていて,iPad2 と iPod touch,それらの周辺機器を買う予定。来年度,Voice4u を使っていろいろやってみたいと期待をふくらませている。

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今野賞 C部門
山口裕之・宮城県立光明支援学校高等部
<研究テーマ>
 生徒のチャレンジを引き出す授業づくり
 ― 体験学習サイクルを生かした授業の組み立てと実践の共有 ―
<要約>
 本校高等部の生徒の主体的な学習への参加を引き出すために,授業の中で生徒が学習課題に自らチャレンジする場面を意識的に設定し,授業の組み立てを目標設定・チャレンジ・振り返りの体験学習サイクルにそった形に再構築した。また,互いの授業実践を研究授業やレポートの形で共有し,生徒のチャレンジを引き出すためのスキルを高めるように学び合った。
 4回の研究授業と事後検討会,1年間の各自の実践から抽出された3冊の実践レポートとその発表会から,生徒の主体性を引き出すための14の手立てを抽出するとともに,次のような成果を得ることができた。
(1)体験学習サイクルの視点で授業を組み立てることで,教師も生徒も授業展開の中の目標設定(導入)と振り返り(まとめ)に意識が強く向くようになり,授業の組み立てが今まで以上に生徒の「体験」を重視したものになった。
(2)チャレンジ場面を設定して成功体験を積み重ねることは,生徒の学習意欲を高めるだけでなく,生徒同士の仲間意識やライバル意識も高めることができ,他者にかかわる意欲を向上させることにもつながった。
(3)実践レポートなどで授業実践を共有することで,教師が互いの実践をよく理解することができ,さらに自分の授業を改善するヒントを得ることができた。

キーワード:体験学習サイクル 目標設定 振り返り 成功体験 主体性 自己効力感

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