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2016年11月の1件の記事

2016年11月13日 (日)

起床時の背中の痛みがなくなるまで

ちょうど今から2年前に,「筋肉痛の直りが悪い,朝起きたときに背中が痛い,は副腎疲労の初期症状だった!」という投稿をし,その2か月後に「筋肉痛の直りが悪い,朝起きたときに背中が痛い,と機能性低血糖」という記事を書きました。

当時は,起床時の全身痛や思考力・記憶力の低下,頭痛,めまいなどが2年ほど続き,それがもはや日常になってしまい,自分が健康だった頃のことは思い出せず,この体調不良が治るということがあるのかと疑いたくなるほどでした。しかし,今は逆に,体調が悪かった頃の感覚が思い出せないくらい回復しています。まあ,歳のせいか「絶好調!」というほどでもありませんが…。

この記事では,どのようにして今回の体調不良から脱することができたかを,振り返って書いてみたいと思います。といっても,何が決定打だったのか,そもそも決定打というものがあったかどうか,はっきりと認識できているわけではありません。おそらく,体調が改善した理由を一つに絞ることはできないのだと思います。途中,半年間の病気休暇をいただいて,身体と心を休めることができたことも良かったと思います。その病気休暇の間に,いろんな本を読んだり,カウンセラーと話をしたり,生活習慣を改善する中で,体調不良が徐々に軽減していったというのが現実です。

しかしその中で,今,振り返ると大きなポイントだったかなと思うのが,次の4点です。

1)痛みに対する考え方を変える
2)筋肉と呼吸,自律神経を整える習慣
3)心を調える習慣
4)自分に備わっている生命力・自然治癒力を信じる

1)痛みに対する考え方を変える

全身痛がおさまる最初のきっかけは,カウンセラーに借りた1冊の本でした。ミステリー作家・夏樹静子さんの『椅子がこわい』です。この本は夏樹さんが腰痛を患ってから回復するまでの闘病記ですが,夏樹さんが最後まで納得できなかった「この腰痛は心因性である」という診断が,結局は一番正しかったというものでした。この本を読むことで,慢性の痛みには心因性のものがある(心身症)という見方を得ることができました。

続いて,この本の関連書籍をネットで調べていき,いくつかの本を読んだ中で,『サーノ博士のヒーリング・バックペイン〜腰痛・肩こりの原因と治療』と,その続編である『心はなぜ腰痛を選ぶのか〜サーノ博士の心身症治療プログラム』に辿り着きます。これらの中で,サーノ博士はTMS理論という腰痛についての新しい見方を教えてくれました。

TMS理論では,腰痛が椎間板の不具合などの身体的な問題ではなく,心因性のものであるとします。心理的な緊張によって腰回りの血流が減少し,腰の筋肉が酸欠になることで痛みが生じていると考えるのです。さらに,腰に痛みが生じる理由は,脳が意図的に腰の周辺の筋肉の血流を絞っているからだと言うのです。血流不足による筋肉の酸欠で痛みが生じているという考え方は,それまでの痛みの様子からすんなりと納得することができました。そして,身体的な問題ではなく,純粋に心理的に,いわば「幻の痛み」を作り出していると思うと,痛みに対する姿勢が大きく変わっていくのを感じました。

その頃のメモにはこう書いてあります。
「痛みはまだあるが,深刻ではない。前は、痛いなーどうして治らないんだろう…。今は、心が作り出している幻影と思うと、楽にやり過ごせる。日常生活はポジティブにできるようになった。」
それまでは「痛い,痛い」と痛みに注目してしまうことで余計に痛みを感じていたところが,実はその痛みには実体がないのだと思うことで,うまくやり過ごせるようになったということだと思います。

当時はトラムセットというけっこう強い痛み止めを飲まないと日常生活もままならない状態でしたが,痛みに対する考え方が変わったら,突然,痛み止めを飲まなくてもやっていけるようになりました。これには自分も驚きました。(もっとも,この時期はうつ病の治療薬としてサインバルタを飲んでいて,この薬もけっこう痛みに効くので,その効果もあったかもしれない)

ところで,これらの本には,腰痛などの心因性の慢性痛になりやすい性格としていくつかパターンがあげられていまして,それがまた自分に良く当てはまるので驚きました。特に自分に当てはまったのは,完全主義(完璧主義),善良主義,低い自尊心,深刻な劣等感の4つです。今ではこの4つの性格が,ADHD(注意欠如・多動障害)と関連が深いと理解できているのですが,当時はまだADHDの診断がなかったので,自分にこういう性格傾向があることは理解できていましたが,その原因までは分かっていませんでした。

2)筋肉と呼吸,自律神経を整える習慣

痛みに対する考え方を変えたおかげで,だいぶ楽にはなりましたが,痛みそのものはなくなってはいませんでした。

そこで,次にヨガやストレッチ,ピラティスなどの本を読みあさるようになりました。TMS理論によれば,私の背部痛や下肢痛は,脳がその部分の血流を絞っているために起こります。であれば,それらの部分の血流やリンパの循環をよくすることで,痛みが楽になるのではないかと考えたのです。さらに,背中に痛みがあると,どうしてもその周辺の筋肉が緊張して呼吸が浅くなります。そこで,ゆっくりと深い腹式呼吸をすることで,筋肉をほぐすとともに,血液に新鮮な酸素を呼び込むことができるのではないかと考えました。

起床時には乾布摩擦ラジオ体操で血流を改善して筋肉を目覚めさせ,その後に瞑想(腹式呼吸)を行うという習慣ができました。さらに,就寝前にはストレッチやヨガで筋肉をほぐしてから寝ることで,睡眠の質を良くするようにしてみました。この生活習慣は,病気休暇があけて仕事を再開しても,基本的には続けています(乾布摩擦以外)。今は,起床時の痛みはほとんど感じないか,わずかに感じる程度までに改善しました。

3)心を調える習慣

完全主義(完璧主義),善良主義,低い自尊心,深刻な劣等感のある人は慢性痛になりやすいという指摘は,まさに自分を言い当てられている感じがします。そこで,さまよいがちな自分の心をもう少し安定させる必要性を感じ,瞑想に関係する書籍にも手を伸ばしました。ところが,本に書いてあるとおりにやってみるのですが,なかなかうまくいきません。しかし,『からだに聞いて こころを整える』という本に出会って,やっと自分なりの瞑想を手に入れることができました。

瞑想では,過去を悔やんだり未来を憂えたりする心を手放し,今,現在に自分を置き続けます。心を「今,ここ」に留め置きながらゆっくりと腹式呼吸をしていると,頭の中がスーッとクリアになっていくことを感じることができました。それは,例えて言うと,泥が舞い上がって茶色くなっている水が,泥が沈んでいくにしたがって澄んでいくようでした。脳の中の泥とは,いろんな思考の断片です。いつも私の頭の中にはいろんな思考の断片が舞っていて,常に見通しが悪く,忙しく,それによって疲れてもいたのですが,瞑想をすることで,それらの思考の断片が沈殿していき,静かで落ち着いた脳を手に入れることができるようになりました。

瞑想がうまくできるようになると,日常生活の中で心が未来や過去にいってしまって,不安や後悔に襲われることがあっても,瞑想の場面を思い出して心を今に引き戻すことで,不安や後悔の堂々巡り思考を切り離すことが出来るようになりました。これは精神衛生上非常に効果的でした。ついでに,夜,いろんな思考が頭を巡って眠れないときも,腹式呼吸をしながら,自分を今ここに連れ戻すことで,すぐに寝付けるようにもなりました。

完璧主義や善良主義という性格は,どうしても自分を無理に追い込んでしまうことにつながり,その結果として,自尊心が低くなり,劣等感を感じる場面も増えてしまいます。先に書いたようにこれはADHDの特性でもあるのですが,瞑想を習慣にすることと,ストラテラというADHDの薬の効果によって,最近は,もっとユルい生き方ができるようになってきています。以前なら不安や後悔の堂々巡り思考が始まるような場面でも,「ま,いいか」と流して気にしないでいられることが増えました。

4)自分に備わっている生命力・自然治癒力を信じる

心身の不調が2年も続くと,ほんとうにこの不調は治るのかと心配になってきます。そんな弱気な心を支えてくれたのが,自然治癒力に関する書籍でした。この分野の本もたくさん読みましたが,その中でもこの2冊には大きな影響を受けました。

癒やす心、治る力〜自発的治癒とはなにか
シーゲル博士の心の健康法

『癒やす心、治る力〜自発的治癒とはなにか』には,人間に備わった治癒力と心の関係や,治癒力を引き出すいろいろな代替療法(針灸,オステオパシーなど),治癒力を引き出すための生活習慣,食習慣,サプリメントや生薬などについて詳しく紹介されています。『シーゲル博士の心の健康法』については,こちらの記事をご覧ください。

これらの本を読むと,心のあり方が健康にどれほど大きな影響を及ぼすかが分かり,それと共に,自分の生活習慣に取り入れた,瞑想や腹式呼吸,「今,ここ」というあり方が,心の健康だけでなく,体の健康にもダイレクトに影響していくんだという認識を得ることができました。また,機能性低血糖を防ぐための食生活と,自然治癒力を高めるための食生活はほとんど同じでした。この2冊は,体調を崩したときは何度でも読みたいと思っています。

最後に

約2年間続いた痛みは,最初は原因が分からずに途方に暮れるところから始まり,副腎疲労と機能性低血糖という見方に行き着いて自分の身に起こっていることを知り,そこからさらに心因性疼痛とTMS理論に辿り着いて,その原因と対処法を知ることができました。TMS理論に辿り着いてから,約1年が経ちますが,この1年で体の痛みはどんどん楽になっていきました。半年間の病気休暇の中で,いろいろ本を読み,生活習慣を改善する中で1日の生活リズムが大きく変わりました。起床時と就寝時に行う心身のメンテナンスの習慣は,今も続けています。

振り返って考えると,今回の経験は,人生前半の若い時代の生活パターンを,人生後半の老いていく時代の生活パターンに変えていく,そのターニングポイントという意味があったと思います。これからは,心と身体のケアをしながら,人生の後半戦をできるだけ健康に過ごしていきたいと思います。

最近,仏教の禅についての本を読みました。その中に,禅とは見返り(利益)を求めない,そして,見返りを求めずに行う日々の実践に意味があると書いてありました。目先の利益を求めて行う行動は,きっと長続きしませんね。利益が得られないと動機がなくなってしまうからです。でも,利益を求めない行動…私はそれを「習慣」というのだと思いますが…は,それによる明確な利益がなくても落胆しないので,淡々と続けることができます。そして,淡々と続けることで,結局,自分のため(利益)になっているのだと思いました。

起床時のラジオ体操と瞑想,就寝前のストレッチは,それぞれ30分ぐらいかかるので,時々面倒だなと思うこともあります。体が痛むときは必死でやりましたけど,今はそれほど痛くもないので,今日1日やらなくても,きっとあまり変わらないんじゃないかなという気もします。でも,「痛みを軽減するために行う」と考えるのではなく,「ただ淡々と行う」と考えるべきなのだろうと思います。そう思って,ほんとうに習慣になってイヤだという気持ちさえ起こらなくなるまで,ちょっと頑張って続けていこうと思っています。

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